昨今の大工さんに求められる業務内容としては、木材の加工を正確に行い、また当然ながら設計図通り仕上げていく事が大前提ですが、建物全体を把握し、屋根・左官・水道・電気など他業種にも気を配る必要があります。
もちろん、お施主様との打ち合わせや雑談も非常に大事な業務であり、昔ながらの職人気質では現場は進みません。
大工として、様々な現場を経験し、技術を身につけるには多くの時間を費やし、途中で他の職種に進む方も後を経ちません。
しかしながら、最近では、木材加工も工場での機械による事前加工「プレカット」というものが主流になっており、昔のように長い年月の経験はなくても「大工」と名乗れるようになりました。
そのようなこともあり、昔ながらの木材に「墨付け・刻み」という事のできる大工は年々減ってきており、技術の継承が進んでいない現状ではあります。
また、大工という職種を束ねる意味で「棟梁」という言葉があります。
様々な諸説があり、人によって取らえ方は違いますが、文字通り「棟 むね (建物の最上部に位置し屋根を支える部材)」と「梁 はり(建物の構造上大変重要な部材)」という事もあり、最も重要な職種となります。
現場では、幾人かの大工を束ねる重要な役割を果たします。
求められる事は必然的に多くなり、責任も増しますが、私は大工の中の大工には憧れを持ちます。
私が思う棟梁には、大工としての「技術」「知識」「経験」「統率力」そして「コミュニケーション力」が必要だと思います。
そして最も大事な事項として、「遊び心」という気持ちが大事なのではないかと考えます。
「ただ図面通り仕上げれば良い。」「材料が悪いから仕上がりも悪くなった。」等々出来栄えを人の任せにすれば簡単ですが、そこを逆に楽しみながら、お施主様の気持ちに寄り添う事のできる職人が私の思う「棟梁」です。
「遊び心」
とても大事な事だと思います。
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