年末に現在施行中の古民家現場へ行ってきました。
進行具合の確認よりも、
今回は、ベテラン大工から若手大工への技術継承を行って頂きました。
私たちが扱う「古民家」は、先人の「知恵」と「技術」が凝縮された素晴らしい建物です。
しかし、施工方法によっては、その「知恵」と「技術」を損なうことも少なくありません。
最近の木造住宅(建築基準法以前の昭和25年以上の木造軸組工法)は、「在来工法」と呼ばれ、
筋交いや構造用面材などで、建物を揺らさない様に工夫がしてあります。
又、コンクリート製の基礎の上に土台が敷かれ、アンカーボルトでがっちり緊結されており、さらに柱と横架材なども金物で固めらています。
対して古民家(昭和25年以前の木造軸組工法)は伝統構法と呼ばれ、筋交いなどを使用せず、足固・敷き土台・差鴨居・梁などの階層的な横架材によって剛性を確保しています。
基礎は自然石で出来ている事が多く、そのまま置かれているだけで構成されており、柱や横架材も金物での緊結はありません。
もちろん地震時には、自由に動きます。
金物の代わりに「楔」「込栓」などで固め、
揺れには、数百ある木と木の継ぎ手部分の組み合わせで応じる
木のめりこみや摩擦等で粘り強く対向していく構造となっている。
「総持ち」という考え方となっております。
この伝統構法の施工方法を学ぶ機会は少なく、
大工さんにおいては非常に技術が左右されるところであります。
書物や口伝で学び、古民家等の解体時には、それらとの整合性や、発見を繰り返していきます。
その現場、現場でベストだと思う施工方法を行う為、日々勉強です。
その引き出しが多いほど、再生現場では、心強く感じます。
出来るだけ伝統構法の良さを守りながら、現代の技術も考慮し、
忠実に再生していく事が、私の使命だと感じております。
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