安佐北区の古民家も木工事に進んでいます。(現在揚屋中)
状況を回想してお伝えします。
新築工事で柱を建てる事は当たり前に出来ますが、今回のように、既存の柱の差し替えとなると様々な取り合いが出てきます。
主な取り合い部材として、梁や桁、敷き土台など多くの横架材が干渉してきます。
通常、敷き土台→柱建て→桁(梁)の順番に進みます。
この度は敷き土台は一旦撤去していますが、梁や桁が残っています。
通常、柱には「ほぞ」と呼ばれる凸部を設け、敷き土台や桁(梁)に突き刺し、抜けにくくして行きます。
この「ホゾ」は柱が取り付いてしまうと見えない部分ですが、上記のように構造的に非常な役割を担って行きます。
差していく為に、「ホゾ」分の持ち上げ幅分を確保する事が必要となります。
下から差す事が出来れば、通常の「ホゾ」でも良いのですが、今回のように、2方から干渉材がある箇所は横から持っていく事があります。
このような鯱栓をつけたホゾを柱の取り付け後に後から入れ固定して行きます。
このような形で納まりました。
金物の使用をせず、古来からの伝統技法で柱を固定できた事で、改めて昔の大工さんの知恵に感服致しました。
また、それを用いる事が出来る現代の大工さんにも畏敬の念を抱きました。
引き続き工事は進んでいきます。
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