古民家にお住いのお客様より土台が劣化しているので取り替えて欲しいとご連絡頂きました。
元々、古民家と言われる伝統構法で建てられた建物には基礎という基礎は無く、玉石の上に柱が乗っている形が基本でした。
年配の大工さんから聞いた話ですが、
江戸時代中期辺りから、表面が凸凹の玉石の上に柱を建てる事に手間がかかる為、敷土台と言われる横木を玉石の上に置き、合理的に柱を建てていったようです。
今の建て方(在来工法)に少し近ずいてきてます。
しかし、この合理的に見える敷土台は100年近く経つ古民家では、荷重がかかる柱の脚元付近は土台にめり込んでいる場合が多く見られます。
木は元々垂直に立っているいる為、自然の摂理通り、柱などの縱使いが一番良いと思われます。
しかし、この敷土台にはもう1点利点があり、
通常足固めといわれる柱間の横木と同じく、地震時に柱が開くのを防ぐ役割を持っています。
加えて、玉石との摩擦力などで地震時には活躍してくれる材だと思います。
それらを踏まえ、この度の土台取り替えは柱を直接石に落として、敷土台では無く、足固めのような形で最下層に使用したいと思います。
『大入れ蟻落とし』
この仕口+込栓で納め、敷土台の良さと柱勝ちの強さを生かしていきたいです。
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